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2017年5月 4日 (木)

【ME:A】新しいメールが来ています、パスファインダー。

 もう、その辺で許してあげなよ!
 
 そうはいかん。こちとら、Deluxe版で大枚ぼったくられてる上に、ゲームのプアなプログラミングのせいでマイリグ丸ごと買い替えてんねんぞ! 気が済むまで、なんぼでも言わしてもらうわ!
 そしてそれが、それこそが、島国数万人のMEファンに先駆けてアンドロメダを探索した、パスファインダー三百人の一員としての責務なのだ!(なに、うまいこと言った気になってんだよ、数万人とか三百人とか何の根拠があるんだよ。つか、残りの乗員たちがクライオから覚醒できるのって一体いつだよ)
 
 もともと本編にバラすべきような内容はほとんどないので、特段ネタバレはありませ・・・、あ、あるか。
 (以下、わりと核心的なネタバレ注意!)
 
 新しいメールが来ていないのに、何度も何度も「新しいメールが来ています」とメッセージを喋る。普通のアプリだったら「ブチ」っと切ってしまうところだが、SAMの場合はそれはできません。
 あー、できる方法はあるにはあるけど・・・。
 
 SAM自身が書いたという、CODEXエントリーを引用。
 
「自己反省は、知性ある存在にとって重要であるため、アレック・ライダーの勧めに従い、このエントリーを記述することにします。私はシミュレーテド・アダプティヴ・メイトリクス(Simulated Adaptive Matrix、SAM)、新世代の人工知能(AI)です。ほとんどのAIと異なり、ニューラル・インプラントに直結されており、ホストの知覚および感情反応にアクセスします。簡単に言えば、ヒューマンの体験を直接理解することが可能であり、それによって論理的プログラミングの範疇を超えて成長することができます。その見返りに、私は量子演算力と論理的分析力を用いて、パスファインダーのミッションを支援します。
 
 私の物理的実体は、アーク・ハイペリオン搭載のSAMノードに実装されたサーヴァー・バンクに存在している一方、量子もつれ(エンタングルメント)技術のおかげで、いかなる場所とも即時通信が可能です。致死的負傷や死亡が発生した場合、私のコマンドアクセスは、プロトコルに従ってパスファインダーの次候補者に転移されます。
 
 最近になって、メモリー障壁が除去されたため、私の創造経緯がさらに明らかとなりました。アレック・ライダーが私を創造した目的のひとつは、妻であるエレン・ライダーを不治の病(後にAENDと判明)から救うためでした。ホストの生理に影響を及ぼす私の能力が、妻の延命または治療の発見に結びつくことを願ったのです。その願いは満たされなかったものの、アレック・ライダーは、のちにその能力も私のコア・デザインに組み込みました」
 
 さて、プレイ中またはクリア後に思いついた、ME:AのSAMに関する論点(というか揚げ足取り)はふたつ、んー、みっつですかね。
 
 一つ目は、「ただのおたすけアプリかよ」という点。
 
 メールの件では、「おたすけ」にすらなっていないけど。
 「21世紀にはウェブ・カメラとかVRとか使ってるのに、ME:Aの時代はメール使ってるんだー」とかいうメタ的なツッコミは、かわいそうだからやめておこう。そんな細部までアニメーションを駆使するとか、どんだけ納期がかかることになるか(とか、BioWareはそういう自分たちに都合のいい言い訳するんですが、ウカウカしているうちに、DAのおんまさんみたいに、他タイトルにさくっと先を越されちゃうんでしょうね)。
 
 実のところ、下に触れるSAMの自己成長(それと、曖昧にしか描かれていないがホストの生命維持機能)を考えなければ、劇中のSAMは、ナヴィゲーターや温度計(!)などの様々なガジェットを満載した、通信・分析アプリでしかない。しかも大事なところでは、やっぱり役に立たないという「お約束」もついてくる。
 
 少なくとも劇中では、パスファインダーとSAMの情報のやりとりのすべてが、オーラル(普通の意味で)及びオーディトリ、すなわち「音声」で行われているようだ(SAMとクルーの会話も可能)。一時的にささやき(プライヴェイト)モードを用いることもできるが、やりとりはあくまでヒューマンの、つうかネクサス種族の言語か、(SAM側からは)それに加えて通常の映像を介したものだ。込み入った情報はパスファインダーのオムニツールに表示される。どうしてこの程度の情報交換のために、ニューラル・インプラントに直接つなげる必要があるんだろうか、と思ってしまう。
 
(余談)映画「攻殻機動隊」に限らない、すでに多くの作品で描かれているので、「そのほうがクール」という発想はあったのだろう。残念ながら、押井さんではないが、あの映画および続編群の「疑似哲学的」な味わいとは程遠いものになってしまっている。もっとも、SAMがトレースする「反応」は、化学反応の結果としての信号である「知覚」(sensory)と「感情」(emotional)の反応(乱暴に言えばインプットとアウトプット)に還元されるわけだから、哲学的な「意識」の話になるはずがない。同じ意味で「攻殻機動隊」も、押井さんご本人は「心身問題」を扱っていると主張しているが、「意識」の話まで踏み込めるはずがないので、あくまで疑似哲学的なものだ。(余談終わり)
 
 SAMがトレースするパスファインダーの知覚と感情の反応、そのフィードバックに従って(21世紀でも普通のセンサー程度がすでに実現しているようなものではない)何らかの操作が行われているような様子も見受けられない。例外は下に述べる「生命維持機能」だ。
 そうであれば、インプラント直結のほとんど唯一の目的は、SAM自身の成長を促進するためとなる。
(追加:二周目をはじめてみて、ライダーの「プロファイル」設定もSAMが司っている設定であることを思い出した。ヒューマン・パスファインダー以外のSAMには実装されていないとか。これって、ぶっちゃけるとシャブとかドーピングの一種なわけで、随分危ないことをしているような気がします(SAMと神経系を直結する時点ですでに危ないけど)。これもFPSの"Crysis"あたりでやってましたね。あちらは「バトルスーツ」の仕様上、可能な設定だった)
 
 「自己紹介文」ではさらに、(ゲームが進展した後の情報として)アレックがSAMを開発した理由のひとつは、不治の病から妻を救うためだとしている。イニシャチヴの資金がどのような方法で、どんなパトロン(ペイトロン)から集められたのか定かではない(個人的推理は下に述べます)とはいえ、パスファインダーのインプラントと直結する必要性に乏しいとすれば、いわば「開発資金の私的流用」 の誹りは免れない。「理由のひとつ」というよりも、唯一の理由ではなかったのか。そして、自己成長が可能なAIが必要な理由も、不治の病の治療法を発見するという、ヒューマンの誰も解決していない難題に取り組むためには、必要不可欠だったのだろう。ここら辺が、テクノロジカル・シンギュラリティ問題に触ってるのかな。

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 妻の病状が思わしくないと知り、アレックは職を辞してしまう。

 これも余談だが、アレックの妻に対する感情は、BioWareお約束の「カース・オナシ症候群」のまたもうひとつの例(変形)であろう。BioWareゲームには、喪った(または喪おうとしている、あるいは疎遠となった)愛する者への思いを断ち切れず、その後の新しい出会いを拒否または逡巡する人物が必ず登場するという指摘のことだ。
 
 二つ目は、「ただのおたすけアプリ」ではない役割を担う点。
 
 プレイスルー中に把握した限りで、三度そういう場面が訪れる。
 一度目は、冒頭で別のヒューマンのインプラントにコマンド・アクセスが転移されるシーン。これは「自己紹介文」にあるとおり、デザインされたとおりの働きだ。
 そこでは、いかなる手段が用いられたか(電気信号くらいしか考えられないのに)、ほとんど漠然としか描かれていないが、臨死状態にあるヒューマンの生命維持を行ったことになっている。
 二度目が、SAMが(ホストの許可を得たとはいえ)自発的に、ヒューマンの心肺機能を停止させるシーン。
 三度目は、一度目と似たような状況であるが、ヒューマン側のインプラントをリブートするシーン。一度目がヒューマンの指示に基づいて実行されたものであるのと異なり、こちらはSAM自らが意図して実行する(実際にはヒューマンの手を借りる必要がある)。
 
 いずれも、ヒューマンの生死に関わる場面であるので、これらは「おたすけアプリ」の役割を大きく超えている。というか、作中そうである場面は、他に見当たらない。
(そうであっても、果たしてAIである必要があるのか、ニューラル・インプラントと直結する必然的な意味があるのかどうかは不明だ)
 
 中でも問題なのは、二度目のものであろう。
 もちろんME2冒頭では、シェパード艦長が生死の境を越え、かつ蘇生している。ただし、あの時点において、ラザレス計画(シェパード蘇生プロジェクト)に成功の保証はなかったし、シェパードは現に、端的に、間違いなく死んでいた。趣としてはネクロマンシー的な、それこそサーベラスの邪悪性(というよりも目的達成には手段を選らばないという合理性)を如実に示していた。
 
 それに対して、 このME:Aの「いっぺん死んでみる?」は、(他のクルーの命もかかっているという意味で)あくまで「緊急避難」に似た状況における措置ではあるものの、あまりにあっけらかんとして軽い感じがしてしまう。なにしろここで取り扱っているのは、SAMによる「殺人」(ヒューマン殺し)であるのだから。無邪気という点で、サーベラスの邪気よりもなお空恐ろしいと感じられるのだ。
(一度目も、ホストはすでに臨死状態にあった。二度目は意図的にそれを発生させる点が異なる)

217
 ほんとはこっちを怖がるべき場面ですが。

 なお、上述の三度目の場面でも、SAMは、あるヒューマンの身に害が及ぶことを(論理的帰結の形で)承知の上で行動していることから、「未必の故意」に該当するきらいがある。ただし、この場合は別のヒューマンの生命を維持するための「緊急避難」的な措置と考えれば、やむを得ないのだろう。
 
 お話はアドヴェンチャーだし、結果オーライだし、SAMもまた(双子ライダーと同様に)AIとしてまだ発展途上であり、無邪気であり、天真爛漫に過ぎる、という解釈も成り立つのかもしれない。
 
 三つ目は、AIそのものの発想に関連する点。
 
 オリジナル三部作のプレイヤーは、ME3で「自我」を獲得したかのような変貌を遂げたAI、EDIをすでに知っている。EDIが「義体を得た」という点は、まさに「飾り」であって、物語上重要であるとしても、ここでの話の本質的な部分ではない。大事なのは、ME2でもほんのりと示されていたEDIの「自我の萌芽」が、ME3では満開となる点だ(義体を欲したのも、その結果だ)。
 もちろん、ここでいう「自我」は、あくまでヒューマン・・・、銀河種族から見て、あたかもそれを有しているように振る舞う、というだけの意味でしかなく、「意識が芽生えた」と言っているのでもないし、AIに意識があるかないかは検証すら不可能な事柄だ。それ以前に21世紀時点では、ヒューマンの意識すらまともに解明も定義もされていないし、MEの時代に解明されているようにも見えない。そのような物語を描くこと自体が、不可能なのだけど。
 
 一方、SAMは、上にも書いたように、双子ライダーと同様に「若く」、「未熟」というキャラクターを付与されたのか、「自我の萌芽」というものはまだ感じられなかった。途中で「自我」かなんかについて話してたかもしれないが、まだアレックに教わったことを「頭」で考えているだけで、ME3のEDIのように「腹」で(腑に落ちるという意味で)、もしかしたら「子宮」で(なぜか母性が生まれていた)考えていたのとは、まるで水準が異なっていた。そこがちょっとなあ、掘り下げないのかなあ、と残念に思っていた。「疑似哲学」でもなんでもいいから、AIネタでそこは外しちゃダメでしょ、と思った。

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 SAMは、アレックの妻に対する態度から、生命の意義を見出したという。

 ところが、まだ「アイロニカリー」(皮肉にも)と言うべきところ、「パラドクシカリー」(逆説的に)と言ってる。

 イニシャチヴの旅立ちは、ME3の物語が描く時代よりも以前だ。AI自体の開発は、ゲス(gethのほう)問題を発端として、カウンシル種族圏ではご法度とされていた。一方で、「目的が手段を規定する」サーベラスは、お構いなしに極秘裏に開発を継続していた(EDIも当初は同社、つか同結社の作品だ)。
 よって、ME:Aの物語で、イニシャチヴがEDI並みに洗練されたAI技術を有しているのは、時系列的におかしいことになる。
 
 だが本当にそうか?
 アレックが、私的流用目的だとしても、ご禁制だったAIを開発するにあたり、(あっちの、あー、こっちのあたしたちの(笑))銀河で最も進んだ技術を有していたサーベラスと接触しないということがあったのだろうか。後年のアレックは、サーベラスと見分けがつかないくらい、(妻の延命・治療に関して)目的合理的な行動を取る男になっていた。
 
 ヒューマン至上主義のサーベラスが、カウンシル種族仲良しこよしのイニシャチヴに、諸手を挙げて賛同・支援することはできなかっただろう。
 しかしながら、作中でも明らかにされるように、シェパード艦長のリーパーズに関する警告は、政治的コネを有するイニシャチヴの責任者たちには知れ渡っていた。もちろんサーベラス(イルーシヴ・マン)も詳細に知っていた。
 ヒューマン至上主義のサーベラス(イルーシヴ・マン)は、ヒューマン生き残りのためのヘッジ(あるいは保険)として、イニシャチヴを支援したのではなかったか。たとえ他種族との共存ではあっても、(目的が手段を規定するとの発想にたち)ヒューマン生き残りの目を残そうとしたのではないだろうか。
 
 アレックのAI開発には、サーベラスの支援があったのではないだろうか。それだけではない、サーベラスこそ、イニシャチヴの有力なスポンサー(ペイトロン)だったのではないだろうか。そしてイルーシヴ・マンの正体とされる人物と、パスファインダー・チームのコーラは、なぜ同じハーパー姓なのだろうか。
 そういうネタまわしって、次回作で使うんですかね?(次回作があるとすれば)
 
213
 似てるのは偶然か、同じ技術基盤だからか、それともBioWare開発が手を抜いたか。
 
 なお、ゲーム終盤はまるでサラちゃんのようにコーマ状態でプレイしていたので、大事な情報を見落としてしているかもしれません。サーベラス関係のネタは、元サーベラスの科学者たちが、また性懲りもなく、くだらない人体実験を繰り返していたくらいで、他は記憶にないのです。あー、あとあのDLC"Overlord"絡みのネタですか。

214
 どっちも果てしなくシャビーだったなあ。

 蛇足。
 
209
 子供は寝る時間よ。

 (あたしの場合)コーラとスコットがなにする場面で、コーラは、SAMに「目を閉じろ、耳塞げ」と要求する。まるで、「おこちゃまはクソして寝なさい」的な扱いだが、SAMは従順に従ったように見える。

 なわけないよね。好奇心(この場合は知能)は猫でさえ持っている。こっそり覗き見してたんでしょう。そのほうが「自己成長」にとって有利だと判断して。 そのうち義体を求めたりして(次回作があればね)。
 

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