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2016年12月31日 (土)

Fujiyama、Geisha、Harakiri

 なんだかサイファイの原作なんて、すっかりどっかいってしまって、ただのポリティカル・スリラーですね、「高い城の男」。ようやく、原作小説の主人公が登場したところ。その他、原作に依拠した趣向もぽつんぽつんと登場するんですが、その間が長い長い。
 50年代、60年代USを再現した環境(衣裳、車両、建造物、インテリア、銃器類等)はたしかに観ていて楽しいですが、見どころがそれだけというのもきつい。
 
 あちらのドラマでも、一話(一時間)ごとにオチがつくものなら、なんとか観ることができるんですが、連続ものはさすがに辛い。
 プロットの駆動力は、登場人物たちの「ヘマ」、「ドジ」、そして「ありえない偶然」。
 後先考えない登場人物たちが、自分で火を着けては、あわてて水をかけて消す、マッチポンプのオンパレード。
 エピソードごとにお約束のクリフハンガーがやってきて、その間をサスペンスとメロドラマが繋ぐ。
 そういう手口は、ビッグタイトルのハリウッド映画も一緒なんですけど、あちらはハズレでも二時間我慢すればよいし、逆に二時間しか与えられていないから、作り手も余計な部分はバサバサ刈り取っている。
 
 エスピオナージとか、要人暗殺事件とか、バウンティ・ハンターのレジスタンス狩りとか、本当はとても切迫した状況のはずなのに、なんだろう、このまったりした進行は? 
 やっぱ、あちらのじじばばが、ひねもすのたりソファーに座って、口半開きでずーーーっと観るためのものだからでしょうか。物語があまりにスロウすぎて視聴者が寝てしまわないように、ときおり適度にガツンガツンと刺激(銃声とか、拷問の殴打音とか、車両の衝突音とか)を与える感じで。
 
 島国人が観てもエキゾチック感満載の、変な「ガイジン」の島国趣味みたいな部分は我慢できるとしても、そろそろネタギレが心配になる。
 物語の舞台がトウキョウにまで広がるのかどうか知りませんが、まだ「フジヤマ」は登場していない。それでも、「ゲイシャ」は主人公がそれらしい扱いを受けるようだし、「ハラキリ」は当然ある。
 このあとは、「バショウ」の「ハイク」でも出したらネタ切れじゃないですかね。「ノウ」や「カブキ」、「ギダユウ」なんて知名度低そうだし。「チャノユ」はどっかに出るか。
 
 結局、あちら側から見た現代島国のイメージって、こうした手垢のついた島国「ブンカ」以外では、ハイテクくらいしかないわけですが、ドラマでは(原作に依拠して)ナチスがロケット開発などの分野でずっと先に進んでいる一方、島国のテクノロジーは、戦争中からほとんど進歩していない。
 
 そもそも期待していたお前のほうが間違っていると言われそうですが、フィリップ・K・ディックですよ? 製作総指揮リドリーですよ? Amazonオリジナルですよ?
 どうせプライムで無料扱いなんで、最後まで観ますけど。シーズン1のお仕舞い当たりで、ようやく物語が少し動きそうな予感・・・。シーズンの切り替わりとともに、主要登場人物の何人かを殺して入れ替えるのが、J.J.エイブラムスが確立したあちらのドラマの定番ですからね。
 
 「ハーケンクロイツ」は、いたるところにでかでかと沢山出てきますし、「ジャップ」という蔑称もしょっちゅう使われているところは、大変好感が持てます(逆に「ガイジン」が島国人から見た蔑称らしいけど)。昨今のUSポリコレ状況下では、結構勇気がいるところではなかったか。そこは責任者「リドリー偉い」というべきか、Amazon配信だから可能だったのか。それとも、島国の女性職員は全員タイピストかお茶汲み要員とか、「まあ、島国だから」さもありなんと、フェミニストも大目に見たのか、気にもしていないのか。登場人物がスモーカーだらけってのも、今のハリウッドではほぼ禁止ですからね。
 もっとも、大島国帝国の旭日旗があまり登場しないのは気になりますが。変な圧力があったという話は聞かない。
 
 そうであっても、アフリカン・アメリカンについては、作中かなり慎重な取り扱いに終始していますけどね。これは今のUSはどこでもそうなんでしょうけど、このドラマの半分以上は「アーリア至上主義」というフィクションを党是にまで仕立て上げたナチスの話ですから、人種問題に知らんぷりしていいわけはない。脚本家に言わせると、シーズン2まで制作が続くことが決まれば、彼らにスポットをあてるつもりだったそうです(もちろんあたしはまだ観ていない)。
 もうそうなると、原作となんの関係もなくなってしまいそうな気がしますけど、すでに関係なくなっているから、いいか。

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