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2015年8月15日 (土)

【DAI】創業者の呪いか

 せっかくココログにお布施払って、容量(新ブログ)を追加して、万全の態勢でブログ書くぞーと思ってましたが台無しです。どうしてくれる。
 いやあ、これじゃあ、大した記事にならんでしょう・・・、The Descent。
 なにか「ダメな物語づくり」の解剖みたいになっちゃうのは間違いない。

 それどころか、プレイ時間940時間、1000時間目前にして、あと一歩のドライヴィング・フォースが完全に枯渇してしまったのではないかと恐れている。
 「ここまでか。TW3でもやるか。ディセントが痛かった」、「ディセント前のハコンからでしょう」、「いや、ディセント後の展望のなさだろう」、「それとDLCのリリース間隔が開きすぎ」

 以下、ゲームプレイとか、レヴェル(マップ)についてどうのこうのは言いません。本来はそれらのパーツも物語部分と相互依存なので、切り離して考えてはいけないんだけど、切り離して造ってるのはBioWareのほうだから、私が悪いのではない。

 ハコンDLCのアヴァー編でも、「そんなのカナディアン(アメリカン)インディアンへの白人連中の懺悔代わりのネタじゃねえの、いらんなあ」とこめかみピクピクしてたんですよね。まだしも「大昔のインクイジションってどんなだったの?」という点はほんのちょっとでもDAIに絡んでいたので、我慢もできた。ま、逆に新ドラゴンを出すための言い訳だったのかもしれない。初代インクイジターが手に負えなかった相手というのは、ブライトかドラゴンくらいしかないわけだから。
 メタ的に考えれば、ストーリーDLCが今後三つ出るなら、ひとつめは軽いジャブってことかな、くらい思っていた。
 二つ目までジャブだった、どころか、空振りでスリップダウンじゃないのか。

 コメントにも書きましたが、DA物語のコア部分とは何か。
 DAO(DAOA)がブライト(ウォーデンとダークスポーンの戦い)、DA2がサークル(テンプラーとメイジの抗争)、何といっても、この二つの意味合いも肌合いも違うコンフリクトが「DA印」だったわけですよね。
 さらにDAIではオーレイ帝国の内紛・内乱も限定的にではあるが描かれており、DAOのフェラルデンにおける謀叛(ローゲインによる国王の暗殺(注)なども組み合わさって、「この大変な時代に、貴様ら政治家どもは民を置き去りにして何をやってるか」と憤りを感じさせるような、素晴らしい味付けがなされていた。DA2カークウォールで描かれた無能ヴァイカウント、陰謀サークル・マザー、テンプラー騎士団長の越権行為まがいの統治掌握も入れていいかもしれない。

 (注)オステガーにおけるローゲインの撤退は、国王ケイラン戦死を招くための未必の故意だから、あれは謀叛、暗殺です。

 そうすると、ブライト、サークル(チャントリー支配)、そして諸国政治体制(文化、民族)、というのが少なくとも現代(ドラゴン・エイジ)のDAセダスを彩る三点セットと言えるでしょう。

  一方で、エルフ(デーリッシュとエイリアネイジ)、ドワーフ(オーズマーとサーフェサー)、またはヒューマンの少数先住(先移住か)民族であるアヴァーなどの存在が、長いセダスの「歴史」の深みを増す効果を与えている。ここでクナリは外部要因として登場し、悪役テヴィンターとの消耗戦の話題が語られ、歴史の、そしてセダス外への横への広がりを示すわけです。
 これに、アンドラステ伝説が加わり、その反動力のように「荒野の魔女」伝説が秘かに伝承されている。

 まあ、今さら言うのもなんですけど、「脱・構築」されたハイ・ファンタジー、ダーク・ファンタジーとして万全の構え、完璧なつくりが用意されて、物語がはじまったわけです。
 後からなら何とでも言えるというなかれ。この証明は実は簡単です。DAOの六つのオリジンを想起すればよい。六つとはデーリッシュ、エイリアネイジ・エルフ、ノーブル・ヒューマン、サークル・メイジ、ノーブル・ドワーフ、コモナー・ドワーフでした。ゲイダーさんによれば本来の企画では八つだったそうで、これにヒューマン・バーバリアン(チェイシンド)と、ヒューマン・コモナーが加わるのだったかな(最後の一つはうろ覚えで不確かですが)。

 縦軸であるブライト勃発が物語背景で、ウォーデンが主人公。他の二軸(サークルと諸国政治)も最初から語られるようになっていたんです。
 (細部は、たとえばDA2カークウォールの抗争プロットやホークの立身出世譚は「後付け」のアイデアだったとしても、基盤の物語として「サークル」(チャントリー支配)が存在していたわけで、これにやはり最初から構想の中核にあった「ブラッドマジック」を絡めると、あのようにそれなりに成立するんですよね)

(余談)DAは"Game of Thrones"のパクリとよく言われますが、パクリかどうかはともかく、それは「諸国の政治」の部分が主であって、ブライトもサークルも、そんなのねえだろ、あっち。(ウォーデンのアイデアは、辺境守備隊のアイデアの借用という説はありますが、ジョイニングのアイデアはねえだろ)(余談終わり)

 私の言おうとしている「創業者の呪い」、「チキンラーメンは廃番にできない」、「スズキは(二輪以外は)軽しか作れない」というのは、実はこれです。(有名なスズキの現CEOは、実は創業者じゃないけど)
 生まれた当時すでに完璧だった「元祖」の味に、一体なにを追加しようとするのか、できるのか。
 元祖とまるでかぶらない別ラインの商品を出すか、それさえ認められないなら、見かけを変える、皿や器を変える、ロゴを変える。小手先の変化しかできないのではないか。

 ところが成功した元祖は、その分野に必要とされる重要なコア部分は最初から漏らさずカヴァーしているわけで(だから成功したわけで、循環論法)、別ラインに逃げようとしても、どうしてもかぶっちゃうんですよ。
 親父の影から逃れようとして、エディプス・コンプレックスを原動力にして、二代目が必死に色々手を出して会社が傾く原因を作り、後を継いだ三代目が身上潰すのパターン。なお、跡継ぎがエディプス・コンプレックスにイミューンの「娘」の場合、面白いことになりますよね、最近の事情だと(笑)。

 現在のDAチームは、その宿痾から逃れることができないのではないか。
 The Descentまで見てみて、私が今最も危惧しているのはそこです。
 これがコミックや小説であれば、(将来展開まで含めた)ゲーム本編と抵触することのない内容にせざるを得ない。登場人物たちが自由に振る舞うためには「外伝」としてしまうこと、本編で触らない、今後も触ることのない部分に逃げるのは常套手段でしょう。
 だが、それを本編DLCでやっちゃいけない。本編は上の三つのコア部分に、何らかの形でスティックしなければならない。DA印が欲しいというなら、そうすべきです。

 アヴァーは単に初代インクイジターを登場させるための背景として選ばれたのでしょうからともかく、古代ドワ文明については、今後も触れないかどうかはわからない。MotAやLegacyなど過去事例から考えれば、おそらく「お膳立て」のつもりでしょう。

 だとしても、ダークスポーンを差し置いて、大して開発負荷のかかっていないあの「なんとか」いう古代ドワをあそこまで出す必要はあったんだろうか。すでに、オーズマー・ゴーレムと役割かぶった感も漂っており、かつ、自分たちでろくに説明もできないようなものを。 いや、説明できないんですよ、だって手のうち見え見えだから。(後につなげるつもりなら)薄々どうつなげるのかもわかってしまうわけで、だったらチラ見せでよかったのではないか。

 私の推理によれば、原因はエディプス・コンプレックス。創業者たちのやってないことをやろう。アヴァーも、古代ドワーフも、それらのロアはこれまで確かに敷衍されてはいなかった。
 だが、世の中には知らなくて構わないことは沢山ある。ましてや本編のエルフ神話、テヴィンター神話ですらまだ生煮えのままなのに、どうして「ニッチな歴史」に多角化する必要があるんだろう。豊穣な物語世界のロアが深まるなどとはさっぱり思えず、(ことの軽重が分からないという意味で)幼稚な、中学生あたりの考えた物語世界にどんどん近づいていってしまうのではないか。そういう百科事典的のりはロアブックに任せておけばいい。

 私が本当に恐れているのは、創業者たちのような才能が、今後もはや手に入らないのではないかというところです。三国志演義の諸葛亮の嘆き、廖化と関羽に関するくだりは、あの物語全体を俯瞰して感動を呼ぶ、極めて重い話です。

 「あら、ひとつの時代もう終わってた?」とならないことを祈ります。 そうならないように。祈りましょう。祈ってください。

 これじゃない、とあなたがいったから、8月11日はDA終戦記念日

***

 ごめんなさい、ココログがコメントは移行できないと言っているので(なわけあるかいとは思いますが)、いただいたコメントはテキストで「続きを読む」の下に貼ることにします。

コメント

>創業者たちのような才能が、今後もはや手に入らないのではないか
>中学生あたりの考えた物語世界にどんどん近づいていってしまうのではないか

うむ、私もそれを感じてるんですよねぇ。
Vaniさんは、ストーリーの展開から解りやすく分析してくださってますが、それだけで済まないのが悲しい。
ゲームのヴィジュアル化されたものや仕掛けさえも、元ネタが他のゲームからというのが容易に想像できるし、そういう箇所があまりに多いんですよね、DAIは。
そのへんの安易さも、もうDAOやDA2とは明らかに違ってきてるように思います。
アイディアが出ない?

>どうして「ニッチな歴史」に多角化する必要があるんだ

そう、それですよ。
本筋を曖昧にしておいて、そっちへ逃げちゃダメですよ。
BioあるいはDAに馴染みがある人なら、物語のディープでドラマティックな展開や演出をまずは期待するでしょうし。
カジュアルプレイヤーにしても、コーデックスやNPCのセリフで歴史や世界観を延々と語られるのも困ると思いますしねぇ。

 くどく繰り返しますと、DA世界は当時のリード・デザイナーであったジェームズ・オーレンと、リード・ライターであるゲイダーさんのコンビで作り上げたものでした。オーレン自身も元々はライター出身であり、BG1とBG2、SWKotOR、NwNのリード・デザイナーであり、DAも本来は彼が手掛ける算段だったのですが、BioWare内部事情でディレクターに出世しなければならなくなって、開発現場から離れました。後にSWTORのディレクターとなり現在にいたる。

 なにもMDやMLに恨みがあるわけではありませんが、オーレンこそがBioWareがその名を確立した時代のエースであり、(SWKotORの発展形である)Mass Effectシリーズ以外をほぼ手掛けている。Mass EffectはSWKotORのプロデューサー、コアデザイン担当であったケーシーが手掛けたのはご承知のとおり。

 MDはプログラマー出身。BGシリーズとJade Empireのリード・プログラマーです(いまどき誤解している人はかなり減ったと思いますけど、一応お断りしておきます。あちらのタイトルでいう「プログラマー」は、日本でいう「プログラマー」の印象とは段違いに重要なものです。コンビニの店舗設計者とレジ係くらい違う)
 MLは元々はJade Empireのリードライター(のひとり)。
 最近よくメディアに登場するアラン・フリンもプログラマー出身。大規模開発に移行後生まれたポストであるスタジオGMに就任。いわば開発工場長。
 はっきり言ってしまえば、BioWareタイトルの進路を現場で決めていたのは(サウンドや、アート分野などを除くと)たったこれだけ、そのくらい少数のエースに頼る会社だったんです。
(ついでに言うと、9月リリース予定というDnD準拠のSword Coast LegendsのディレクターであるDan TudgeはDAOのプロデューサーだった人物ですが、このBioWareインナーサークルの人ではない。アーティスト出身だったらしく、BioWare作品ではもっぱらビジネス面を手掛けた) 

 ライティング分野では、天才肌のオーレンと、その後継者であったゲイダーさんが抜けちゃったわけで、MLはライター出身とは言っても(Jade Empireのリリーフでやったくらいで)基本マネジメントの人。MDやフリンはプログラマー出身。

 となると、今後はDAリードを引き継いだパトリック以下のライターズ・ピットのメンツの力量にかかっているのですが。でもねえ・・・。想像するにオーレンとかゲイダーさんのような輝かしい経歴がまだない段階で、そうそう行動の自由は許されないかもしれませんね。
 
 B様の憂鬱についても付け加えれば、BioWareがCRPG中興の祖であった時代(1990-2000あたり)には、BioWareというかジェームズ・オーレンが業界スタンダードをセットしてきたんですよ。今ではそういう時代も過去になり、Bethesdaもあり、和製もあり、TW3も成功をおさめ、FPS、TPSなど他ジャンルも「RPG風味」をどんどん取り入れ、逆にBioWareが追いかけなければならなくなった面もあるのでしょうね。そういうときに売りだった「ストーリー」や「物語」で迷走してたらいけないんですよ。Bethesdaには、トッドが健在ですから羨ましい限りです。  

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