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2017年3月25日 (土)

【ME:A】深刻な人手不足

 BioWare亡者とは、DAシリーズやMEシリーズの新作が出るときには、早くプレイしたくていてもたってもいられなくなり(あたしの場合は、お仕事でリリース初日にプレイできないジンクスがあるのですが)、リリース日には斎戒沐浴し、解禁と同時にディプレイの前に正座して、まずひとしきり拝み、それからは寝食を忘れ、お仕事も理由つけてサボって、闇雲にプレイし続ける、迷える魂のことを指します。もちろん、プレイの間中ずっと正座です。

 なお、何度も書きましたが、「信者」とは違います。信者とは、自分たちの信じる「ゲームが出る前から、姿かたちを確認する前から、もっと言えば製作が発表された時点で、すでに勝利宣言している」者たちのことを言います。審判の日の救済が「予定調和」であることを信じる、クリスチャニティの重要な一派のように、「自分たちはもうすでに、とっくに救われている」、この現世とは、「自分がとっくに救われていることを、あらためて確認するため生きるもの」であると信じて疑いません。

 ただしどちらも、Tシャツ、フーディー、スマホケースなどの関連グッズ、クソ高い攻略ガイド、わけわかんないお人形とかがオマケについた豪華限定版などを目にすると、間髪おかずに財布を開く、または"Buy Now!"をクリックしてしまう傾向があります。新作リリースに間に合うように、ディスプレイやマシンそのものを買い替えたりもします。
 行動だけでは見分けがつきにくいのですが、前者は、催眠状態、白昼夢、夢遊病の影響下にあるかのようにそうするのに対し、後者は、現世でそういうお布施を躊躇なく支払うこと自体が、救済される者としてすでに選ばれている理由である、と信じているところが違います。

 また、前者が自分以外の迷える魂のことは一切気にしない(おそらく見えてさえいない)孤独な魂であるのに対し、後者は徒党を組みやすく、仲間の言動にほんの少しでも「迷い」がある場合はその不信心を徹底的に糾弾し、異端者、冒涜者として追放したり、果ては魔女扱いして火あぶりにしたりするところも大きく違います。 

 少なくともあたしの場合、どうやらME亡者ではなくなったようです。いやこれから攻略ガイドも届くんですけど。小説も全部予約しちまいましたけど。今回ばかりは、正座してプレイする気が起きませせん。

 もうわりと「どうでもいいや」という感じで、とてもリラックスしてプレイを続けています。ときたま、大事な場面でゲームがフリーズしても「ふーん」という感じで、別に怒りも感じないです。PCやゲーム再立ち上げまでのわずか一、二分の遅延も、逆にお茶を汲みに行く時間として活用できるね、とか気になりません。かつて、この世の終わりが近いかのように、本当に寸暇を惜しんでプレイしていた頃なら、ピット作業のヘマのせいでそのくらいの遅延をくらったF1ドライヴァーが感じているに違いない「とりかえしのつかない、天文学的に膨大な時間を喪った」ような絶望感に浸ることもありましたが、今はそう感じることもありません。

 ゲーム本編を遊ぶ時間を削ってまで、これまでGI、IGN、GameSpotのレヴューを訳してきましたが、GameSpot本体が、「レヴューの答えあわせ」をやっています。リンクは下。

https://www.gamespot.com/articles/mass-effect-andromeda-review-roundup/1100-6448825/

 上述の三つのゲームサイトに、PC Gamer(PC版)と、Polygon(XOne版)を加えた、五つのサイトの比較になっている。PC Gamerはもともとブリティッシュのメディア(アメリカンのサイトもある)、Polygonはアメリカンだけど、他サイトとは色々異なるユニークな編集方針のようなので、大手の間でヴァラエティを確保するにはこれで必要十分でしょう。GameSpotも、あたしと同様、零細「中二病」サイトはお呼びじゃない扱いのようだ。

 もちろん、GameSpot自身のレヴュアーが、Fallout4やDAIなどのアドオンDLCがもらうようなスコアをつけたので、100%その「アリバイ」造りであるに決まっています。
 そして、スコアには「お手盛り」や「バイアス」、用いたヴァーションのプラットフォームの違いがあることを勘案しても、このシリーズが本来は「顔パス」でもらうべき「90点台」をどこも与えていないことは、やはり注目されてしまってもしかたない。

 一方、GameSpotは、ゲームのフェイシャル・アニメーションの話に結構こだわっていて、下の記事では、元BioWareのMEチームにおり、現在はUnchartedシリーズのチームにいるアニメーターのツイートを参照しています。
 
https://www.gamespot.com/articles/ex-mass-effect-animator-explains-andromedas-issues/1100-6448944/
 
 そのアニメーターの主張は、「MEのようなRPGのフェイシャル・アニメの製作の難しさは、Unchartedのようなわりと一本道のゲームのものとは、雲泥の差がある」と大枠では弁護しつつも、批判されているように品質水準がいまいちなのは「作業の優先順位を間違えた、つまり手間暇をかけるべき部分とそうでない部分のメリハリを欠いていた、そのため作業分量を読み違えていた」のではないか、と推測しています。
 
 あたしが思うに、ヴィジュアルの品質水準がフェイシャルに限らず押し並べて低く、かつムラも大きいことの根源的な原因は、やはり開発チームの人手不足なんじゃないでしょうか。今までのBioWareは、力押しで無理やりにでも完成させていたはずです。納期が不足すれば、人手を増やすことで対処していたのでしょう。
 
 ゲーム開発に関しては、他の一般的なものづくりと異なり、マンパワー(人手・工数)=納期=予算の公式が成りたつ。数百人が関与するプロジェクト(アメリカンやカナディアンは、島国と違い、これを「イニシャチヴ」と呼ぶのです)において、少数の優秀なクリエーターや天才プログラマーの存在によって挽回できる部分はごくわずかだし、そういう才能を必要とする部分は開発の一番最初、フロントエンドで概ね終わっていなければならないはず。最後の仕上げの段階は、タッチダウンまで残り数ヤードの闘いのように、人数をかけたパワープレイでやるしかないのでしょう。
 
 それは上述のようなレヴューで盛んに批判されている、ライティング(脚本)についても同じことかもしれない。個人の才能に依存する小説ではないのですから、誰かが書いたものを他のライターたちがレヴューして手直しする工程があったなら違っていた。かつてのゲイダーさんの話によれば、少なくともKotORやDAでは、ライターが泣きたくなるほどの書き直しを要求されていたはずです。時間が足りないので、そこの部分を省略しちゃったんでしょうかね。
 
 自分のゲームプレイでは、ネクサスに到着し、色々なお遣いを申しつかることが多くなってきました。
 島国語版も出ていないのに、あまりネタバレするのもよくないので、細部省略しますが、「人手不足のために、ネクサスの任務遂行に深刻な支障をきたしている」なーんて、劇中で話しているのを聞いていると、「それ、君らの開発のことぢゃね?」とかつっこみたくなってしまいます。
 
 ついでに言うと、スコットにやたら余計なことばかり言う、トップ・マネジメントのおばはんがいるのです。パスファインダー・チーム同僚のコーラから「ついさっき、なんとかさん(そのおばはんの名前)から、ひどいこと言われたね」と話しかけられたとき、スコットの回答の選択肢がいくつか出るのですが、あたしは迷わず「誰だっけそれ?」を選んだ(笑)。対してコーラが「今度会うときは、名前入り座席表もらいましょう」(笑)。EAマーケやマネジメントを、劇中でコケにしちゃまずいんじゃないのかしら?

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 グラボが古いままなので、画質が多少ヘボいのは勘弁してもらいます。

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 テキストが小さかったんで、先に貼ったものと異なる別ディスプレイで何度も撮り直しました・・・。

 ほんとに、ちょっと撮影するだけでも、画面がぼやけたり、二重だったりしてやんなっちゃう。
 そのおかげで、コーラと長い間一緒にいたから、ロマンス相手確定(安易だなあ!)

 そのおばはんがスコットをなじるのは、「親父ほど立派なわけない」という偏見によるものなのですが、これもまた有名シリーズを引き継いだME:Aにとって、耳が痛い話になっちゃうかもしれない。
 
 極めつけは、ネクサスの責任者が自身のことを「かつては出納担当、すなわち経理屋あがりだった」とか言ってる部分。「EAの偉い人たちのことを、劇中であからさまにバカにしていいのかしら?」とか思っちゃうんですが、考えすぎですかねえ。まあ、ビッグNのマネジメントもそうなっちゃったし、ドナルドじゃないけど、世の中やっぱ「ゼニ」なんでしょうかねえ。
 ただし、こういうところは、上述のレヴューのうち複数が指摘している「浮き沈み」(ups and downs)のうち、「浮上している」部分。 「沈下している」部分では、確かにニコリともクスリともさせてくれませんし、ここまでのところ、そっちのほうが大部分です。ヒューマンもアサリも全員が、テューリアンのように、「ノーファニー・ガイ」になったみたいな感じがします。
 
 

【ME:A】GameSpotレヴュー(PS4版)(2)

 冒頭のニ時間くらいの強制シークエンス、あたしもやってみました。
 これまで訳してきたPS4版レヴューで酷評されていたグラフィックもパフォーマンスも、PC版はそこまでひどくない。明らかなバグにもまだ出くわしていない。ただし、高水準のグラフィック設定でプレイするには、あたしのグラボ(GTX970)では相当非力なようです。そうであっても、特にキャラクターたちの造形をもっと綺麗に見たいと思うことは皆無なので、やはり新品に買い替える気は起きない。
 
 簡単に言ってしまうと、シーンによってまったく違う作画監督が担当したアニメのように、品質がちぐはぐすぎる。キャラクターのプロポーションにしても、コンバット・シーンではさほど気にならないのに、物語シーンになると、とたんにディスニー映画並みに劣化してしまう。JRPGみたいにコンバットと物語部分(つうか立ち絵)で頭身が変わってしまっているのではないかとまで感じられる。
 さらに、ここまで登場したヒューマンのほとんど全員が、これでもかというくらい不細工。古き良き時代の「バビロン5」(タムリン・トミタ!)をリファーしているのかどうかわかりませんが、ジャパニーズのつもりらしい人物も登場しますけど・・・、ジャパニーズには見えないなあ。
つうかタムリン・トミタくらい端正な顔に造形しろよ。
 
 これは"Mass Effect"の名前がついた別ものと考えるしかないのでしょう。"Ghost Recon"さんと並べるのは、さすがにちょっと酷かもしれないが、グラフィックだけで言えば"Deus Ex: Human Revolution"あたりとタイかな。登場人物のルックスだけなら、それこそときたま"Alpha Protocol"並みの水準まで落ち込むことさえあります。そんなゲームは誰も知らないかもしれませんけど、まあひどかった。
 
 本当はサラ・ライダーでプレイしたかったが、実物がどんだけ不細工なのかわからず怖いので、スコット・ライダーでやってます。こちらもトレイラーで観せられたシネマトグラフィーに比べて男前が格段に劣る。というか場面によって違う顔になってしまうので、どれが本当の顔なのかもわかりません。顔のカスタマイズは、ホラーになってしまうことを予見して避けました。
 
 プレイしたのはたった二時間ですが、ふたつあるという主要プロットのうちのひとつは、なんだか、アフリカかどこかの破たんした国家の資源をめぐって、隣国の部族長に率いられた民兵たちと争奪戦を繰り広げるみたいになっちゃうのかなあ。 
 グラには目をつぶって、ストーリーを味わうにしても、そっちのプロット部分はあまり期待できそうにないです。
 あ、カジュアル・プレイヤーのあたしの場合、シューター・コンバットはつけたし扱いなので、もちろんVery EasyのNarrativeモードです。敵よりも落雷のほうがずっと怖いです。つっ立ってるだけでも、クルーが大抵の敵を一掃してくれます。手持ち無沙汰なもんで、付近のコンテナーからアイテムを回収する係やってます(笑)。最後まで通してプレイしてみて、再度Insanityモードでプレイする気が起きるかどうか。そのときはグラボも買い替えなくちゃいけませんけど、どうなんですかねえ。
 
***
 
 ありがたいことに、ME:Aの中で上手く仕上がってる部分を探すのに苦労はいらない。例えば、各惑星の風景は、見つめるに息をのむほど素晴らしく、探索は胸躍るものだ。最終的には四つのミニ・オープン・ワールドを発見することになり、さらにより小さな単独エリアとして濃密なジャングルの拠点や、乗機「テンペスト」の船内もある。四つの主要エリアは広大で、凍てつく荒野から、乾いた沙漠や密林まで、それぞれ全く異なる環境と危険を有している。会話ができるNPCも取り組むサイド・ミッションもたくさんある。海賊の港で殺人事件を解決し、クローガンの闘技場で賭け、古代文明の、だが先端技術に満ちたヴォールトの秘密を暴く。また、ノーマッドで走り回るのもいい。銀河は広大で色々な顔をしており、わくわくするだけの価値がある。
 
 コンバットにも、とりわけゲーム後半のものについては、夢中になることができた。核となるシューティング・メカニズムはシリーズ各作品のどのものよりもしっかりしており、成長システムが柔軟なおかげで、しゃれたパワーを選り取り見取り楽しむことができるし、固定されたキャラクター・クラスに制限されることもない。自分のビルドは、最終的には・・・、まあいわば、宇宙ニンジャみたいなものになった。テックで姿を隠し、バイオティックで敵に襲い掛かり、シールド強化を施した剣でダメージを与え、標準装備のジャンプジェットでまた飛び去る。効果は常に素晴らしく、また面白い。それ以外にも選択の余地はたくさんある。実験してみたほとんどすべてのパワーについて楽しむことができたし、ほとんどの敵が予想どおりの動きをするとしても、それは変わらない。
 
 コンバットにひとつ重大な欠陥があるとすれば、それはクラフティング・システムだ。問題と呼ぶよりも、せっかくの機会を無駄にしたと言った方が近い。とはいえ、クラフティングこそが、真に求める武器やアーマーを手に入れる唯一の方法となることがしばしばであり、それにはリサーチ・ポイントを集めるため、物体をスキャンする何時間もの作業と、ひどいUIに悩まされながら使いこなす苦労を必要とする。武器の性能を比較するような基本的なことでさえ、とても面倒だったり、最悪不可能だったりする。クラフティング・ステーションと(装備の組み合わせを交換する)ロードアウト・ステーションが、これまたテンペストのまったく反対側の端に位置されており、装備を整えるために、しょっちゅう行ったり来たりしなければならなくなる。惑星を探し回ってルートを発見することも時にはあるものの、報酬メカニズムの一環であるため、とても控え目なものでしかない。自分のカンペキなロードアウトをとうとう完成させたときには深い満足感を得ることができたとはいえ、それだけの労力を注ぎ込む意味があったかどうかは定かではない。  
 
 ところが、クラフティングがME:Aの最大の時間浪費手段というわけでもない。退屈なミッション群こそ、そうかもしれない。あまりに多くのオープン・ワールド・クエストが、中には重要であると感じられるものや、興味深い結果が約束されているものもあるとはいえ、「ここにきて、ボタンを押せ」といったことを何度か繰り返す一つながりのお遣いでしかない。また次の目的ポイントがマップのどこか遠くの方にあったり、NPCはいつも必ず三つのアイテムを必要としていたり、そこに到着したときには重要なデーターパッドが紛失していたりする。星間お遣い少年になってしまったと感じることがしょっちゅうあり、自分では目に映るものすべてをただやみくもにスキャンして、オムニサイエンスのAIパートナーがその場で必要とされることをこなし、また次の目的地点を示されることになる。

 それらミッションそれ自体が全部悪いわけではないとはいえ、間違いなく編集が必要であるか、または少なくとも、もっと幅広いゲームプレイのシナリオが必要だ。カンペキに同じ行動を三回続けて強要されたり、マップの端までドライヴして行ったあげく、たった一言セリフを聞かされるだけというのは面白くない。それは埋め草だ。キャンペーンとクルーのローヤリティ・ミッションは、より造りこまれた体験をもたしてくれるとはいえ、創造性に欠けた退屈さを避けることはできない。これから何をすることになるのか知らしめる十分な情報が、最初から与えられることはほとんどないからだ。

 しかしながら、ミッション以外にもやることはたくさんある。ME:Aには、惑星の生存可能度を向上させる複雑に入り組んだメタ・ゲームが持ち込まれており、そのために拠点を構築したり、他のクエストをこなしていく必要がある。また父が残した「メモリー・トリガー」なるものを探し出すこともでき、そうすることで最後にいくつかの興味深い秘密を暴くことになる。それから鉱物収集、惑星をドライヴする間、ホット/コールド計によってクラフティング用の資源を探し出す。宇宙航行、ある地点から別の地点までジャンプして、惑星をスキャンすることで経験値を稼ぐ。ストライク・チーム、実際には姿の見えない兵士たちをミッションに送り込んだり、または敵の大群と戦う協力的マルチプレイのマッチング・モードに飛び込んで、追加報酬を手に入れる。個々に見れば、これら要素は大した分量ではないが、まとめて見れば、サイファイ・ファンタジーの世界に彩りを添えることになる。
 
 残念なことに、これらすべての上に暗雲が垂れ込めている。それが技術的問題だ。もちろん、フェイシャル・アニメーションが素晴らしいなどとは言えないものの、問題はより深いところにある。PS4では、アクションの有無にかかわらず、フレイムレート問題が至るところで見受けられる。PS4とPCの双方で、筆者は何度かオーディオの問題に遭遇しており、最も顕著なものは、セリフの複数の文が重なり合うように一斉にはじまるというものだ。その他出くわした様々なグリッチには次のようなものがある。会話している間、キャラクターが画面に映らない。会話を終えたとき、自分がいるべき場所から遠く離れた部屋にいることを発見する。敵が地面をすり抜けて落ちて行く。どれもゲームのプレイを困難にするわけではないものの、目につきやすく、至るところにある。
 
 多くの面で、ME:Aは完成まで道半ばのヴァーションのように感じられる。めまいがするほど多くのコンテンツがあるものの、品質のばらつきは激しい。惑星世界とコンバットが冴えている一方で、脚本とミッションはよろめいている。そして前者の相対的な強みは、後者の逃れようのない弱みを補うには足りない。「マス・エフェクト」のゲームとして見れば、ME:Aは、機微にあふれる政治の世界も、倫理的選択も、ストーリーテリングも、過去の作品の水準にまるで達していない。筆者にとって、このシリーズは常に、魅力あふれるキャラクターたちと、おぞましい選択の機会を与えてくれるものであったから、このように深みのない脚本は苦い失望を呼んでしまう。とはいえ、65時間のプレイの後でも、さらにいくつかのクエストをこなしていくつもりである。ゲーム自体は多くの欠点から逃れることはできないが、我慢強い探索者なら、闇の中にいくつかの星の輝きを発見することが、まだできるかもしれない。

2017年3月24日 (金)

【ME:A】GameSpotレヴュー(PS4版)

 ついにここまで来てしまいました。

 半分冗談で、ME:Aのメタクリ・スコアが、「ゴースト・レコン」さん(まだやっとんのかい)といい勝負ぢゃねえの、と書いていたら、本当になっちゃった。
 まさか、「アルファ・プロトコル」には負けないよね、と冗談で書いていたら、それもそろそろ危なくなってきた。
 いつもなら、「ほうら見なさい! みんな、さっさとあたしを褒めるのよ!」というところですが、今回はやめときます。こんなもんあたっても、一つも嬉しくない。

 GameSpotがME:Aにつけたスコアと、同じスコアをつけたゲームは他になにがあるのだろう。
 PS4プラットフォームのRPGで見ると、Destiny(笑)。Destiny:Rise of Iron(笑)。Destiny:The Dark Below(笑)。
 よかったじゃん、お手本にした相手と並べて! そのほか、Fallout4やDAIなどのアドオンDLCがもらうスコアですね・・・。

 というか、メタクリのPS4版では、GameSpotのスコアがいまだにドベをキープ。喪うものは何もない零細サイトでさえ、それ以下のスコアはつけていない。
 いや、笑っちゃってますけど、正直、笑いごっちゃないです。GameStop(あちらのリテイル・チェーンのほう)のあんちゃんたちは、レヴューに基づいてお客にゲームを勧めますから、スコアはいまだにセールスに大きな影響を与えるんです。レヴューとセールスの相関もかなり強い。(もちろん、ジャンルによってマーケット規模が違いますから、セールスのランキングが、スコア順に上からきれいに並ぶわけじゃない)

 これでBioWare悲願のテン・ミリオン・セールスは夢のまた夢。何十万光年先に遠のいてしまったのでしょうか。それどころか、MEの次回作がどうなるか、あったとしても、もう本当にRPGではなくなってしまうのか。

 もともとGameSpot(レヴューサイトのほう)は、BioWareに対して特段思い入れがあったわけじゃない。DAIのGOTY総なめも阻止したし、シニア・レヴュアーだったケヴィンもメリハリあるレヴュー・スコアをつける人だったし、すでにGameSpotにはもういないし。
 かといって、このDLC並みのスコアはないんじゃないの? TW3なんてDLCでも10点とかわけわからないことになってるのに。

 これまで、何書いてあるかちょっと怖くて読めなかったGameSpotのレヴュー。こわごわ覗いてみることにします。

 元記事はここ。↓

 https://www.gamespot.com/reviews/mass-effect-andromeda-review/1900-6416638/

 なお、この記事の表題、"The Fault in Our Stars"は、直接的には同名のUS映画(2014、邦題「きっと、星のせいじゃない。」)をリファーしてるのでしょうが、大元はシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」。
 その部分のセリフ(第一幕第二場)はブルータスの盟友キャシアスのもので、手元にある福田恆存訳(新潮文庫)ではこう。
「・・・人間、時にとっては、おのが運命をも支配する。とすれば、ブルータス、罪は星にあるのではない、われわれ自身にあるのだ、人の下風に立つも立たぬもな。・・・」
 同じ部分、安西徹雄訳(光文社古典新訳文庫)ではこう。
「・・・人間も時として、おのが運命を支配することはできる。おれたちがこんな惨めな体たらくでいるのは、ブルータス、運命の星のせいではない。われわれ自身の罪なのだ。・・・」
 翻訳の時代が異なるので、底本も、解釈の通説も変化しているでしょうが、この部分想像するに、原文はほぼ一緒でしょう。

 もちろんレヴュアーは、"our stars"を、「運命の星」、「星の巡りあわせ」という意味ではなく、「恒星団、アンドロメダ星雲」と「わたしたちのスタアたち」という二重の意味で、こじゃれたジョークとして用いているのでしょうね。中二病ゲームサイトには決して出せない味わいです。

***

 冒頭から数時間プレイして、続ける気がそがれた。 取り乱したといった方がいいかもしれない。その短い間だけでも、不可解なアニメーション、壊れた標準ミッション、ぎこちないUI、白けたセリフに遭遇してしまった。本来であればそのすべてが、アクションとストーリー双方に重きを置いたシューター・RPGであるME:Aをプレイする際、出くわしたくないと願う赤信号(red flags)だ。

 ありがたいことに、ゲームは次第に良くなっていく。プレイを進めるにつれ、爽快感を与えるコンバット・オプションをアンロックし、当初のクルーよりも強い印象を与えるキャラクターたちに出会い、自由に探索できる惑星を発見することで、シリーズが十年来続けてきたような、星々を駆け巡る世界をようやく取り戻すことができた。それでもなお、初期の問題のいくつかはずっとしぶとく残り続けており、オリジナル三部作の輝きがほのかに垣間見えつつも、生気のないセリフ、退屈なミッション、さらには技術的欠陥のせいで、その光もしばしばくぐもったものになってしまう。

 褒めるべき点は、過去のお馴染みの世界を大胆に放棄したことだ。シェパード艦長というアイコンの代わりを務めるのは、ライダー(Ryder)、四隻のアークのうち一隻の指導的役割を担う男の娘(または息子)であり、それらアークは、遥か遠い星団への植民を目指す星間開拓者たちを満載している。いくつかの災難が降りかかった後で、ライダーは父の役割を引き継ぐことになる。その継承とそこに行きつくまでのくだりはきわめて陳腐であるとはいえ、(過去シリーズのシタデルに相当する)ネクサス(Nexus)に到着する頃には、状況は真にのっぴきならないものとなっていく。

 そこで明らかになるのは、他の三隻のアークが行方知らずになっていること、さらに、アーク船団に先行して到着していたネクサス自体にも、深刻化していく食糧不足から正真正銘の内乱まで、想像しうるありとあらゆる種類の問題が発生していることだ。指揮系統は崩壊しており、植民者たちを冷凍睡眠から蘇生させるための資機材もなく、アークが到着した時点から、ライダーは、好むと好まざるとにかかわらず指揮者の立場に立たされる。実際、お約束の「君が選ばれた」シナリオに比べれば、ずっと納得しやすい。ライダーが他のキャラクターたちに見つめられる理由も、また彼らのすがりつく気持ちの重みもわかる。そのため、ライダーが諸問題を解決していき、ネクサスが徐々に生気を取り戻しはじめる頃には、プレイヤーである筆者自身、まぎれもない達成感を味わうことができた。

 この、より広い範囲に焦点をおいた物語(多くの脇道コンテンツを含む)に並行して語られる、中心となるストーリーラインは、悪の異星種族と、その妄想狂かつナルシストのリーダーを軸に展開していき、それらは食糧不足に比べてずっと切迫した脅威の源になる。悪のリーダーは、当初そう見える程には一面的なキャラクターではないとはいえ、他愛もないヒット映画に似たプロットは、おおむね予想の範囲内だ。二つのストーリーは時として絡み合い、最後にはどちらも決着を迎える。

 正直なところ、ME:Aのストーリーの問題はプロットにあるのではなく、その見せ方にある。ME:Aの大多数のキャラクターたちはただ退屈で、会話は「君のことを知りたい」といった骨の折れる雑談以外、めったに深みを増すことはない。誰ひとり、叫んだり、喚いたり、なんらかの感情をむき出しにすることは、実際に感情を吐露するときでさえただの一度もなく、ティリオン・ラニスター(Tyrion Lannister、Game of Thrones)や、フランシス・アンダーウッド(Francis Underwood, House of Cards)のように(注:強烈な個性の持ち主で)、興味を引き付けてくれる者もいない。ネクサスには「ゲーム・オヴ・スローンズ」タイプの紛争を持ち込む余地がいくらでもあるのに、すべての政治的不和は、ただ述べられるだけで掘り下げられることはない。ロマンス・オプションでさえ大げさに感じられ、クルー・メンバーの誰かをうまいこと惹きつけたご褒美に与えられる結末のシーンでさえ、期待されるほど開けっぴろげでもなく、わくわくさせることもない。

 さらに悪いことには、それらの会話にプレイヤーが与える影響もまた限定的だ。確かに時折、最大四つの選択肢からセリフを選ぶことができるとは言いつつも、結局は「楽観的」か「現実的」かのどちらかを選ぶだけになることがしばしばだ。机上では、オリジナル・シリーズのレネゲイド/パラゴンの融通のきかない二者択一方式を改良したことになっているものの、実際には、様々な選択肢のどれもが単に表面上違うだけに過ぎないと感じられてしまう。さらに言えば、どの選択肢を選んでも、プレイヤーの選択が帰結に影響を与えることは極めてまれだ。ライダーが不埒な態度を取った時でさえ、他のキャラクターたちは大抵肩をすくめてなんとかやり過ごしてしまう。そしてキャンペーンをクリアした後で、重大な帰結を招いた決断を思い出そうとしてもたったひとつしか見当たらず、それですら不自然に感じられてしまうものだった。オリジナル・シリーズで決断を迫られた、今でも忘れられない、胃が痛くなるようないくつもの選択に比べてしまえば、それもさらに霞んでしまう。

 公正を期すために言っておくとすれば、ときには胸を打つような場面に出会って驚かされたこともある。例えば、最悪の状況下であるにもかかわらず、クルーから安らぎの言葉をかけてもらったことがあるし、またパートナーAIとの間で、生命の意義について語り合う場面もあった。だがそういった珠玉の瞬間も、何時間もの空虚なやり取り、さらには、非情なテーマに満ちたこそばゆくなるようなやり取りと、ぎこちないセリフ、そして遥か彼方の銀河では場違いに感じられるおかしな常套句の陰に埋没してしまっている。誰かが「どんな噂話聞いた?」("What's the word on the street?")というとき、2017年現在の皮肉に満ちた意味から切り離して、一体何を言わんとしているのだろうか? 600年以上も未来の話であればなおさらだ。

(注)"the word on the street"は、真偽も全く定かではない噂話を拡散するときの決まり文句。「2017年当時の皮肉を込めた意味」("irony in 2017")とは、フォルス(偽)ニュースが蔓延している政治状況を言っているのでしょうか。カナダのブック・フェスティヴァルに同名のものがあるので、そっちのことでしょうか。だとしたらカナディアンにしかわからんじゃん。

***

 (続く) 心が挫けそう。

2017年3月23日 (木)

【ME:A】IGNレヴュー(PS4版)(3)

 IGNレヴューの最後。

 あたし自身、コンボがどうの、アンパンから塩ラーメン?がどうのとか、実はまったく興味ねえっす。P5のミニゲーに波動拳入れたやつ、いまだに許してないし。
 でも、MEシリーズのものはまだましなほうかな。しかもME:Aでは、じっとしていれば仲間が勝手に敵を倒してくれるなんて、理想的なRPGぢゃないですか?! まるでどこかの赤毛みたいだ(笑)。

 こういうのも「社風」というのでしょうか、ここまで読んでくると、開発がグダったときの顕れ方が、DA2のときと大変似ていますよね。コンパニオンがグズ、コンパニオンのお着換えなし、武器が交換できないなどの意味不明な制約、似たような敵との繰り替えしバトル、壊れたクエスト、アニメーション・グリッチ、などなど。少なくともDA2には「どっち転んでもやばい」選択は結構な数ありましたけどね。
 「ファンの声を聴く」などと、できもしないことを思い付きで偉そうに宣っていて、結局またこんな非難を浴びているわけですね。DA2の反省について、DAIにはしっかり反映された部分も多かったけど(コンパニオン・アーマーは洒落たアイデアだった)、ME:Aには関係ないんでしょうかね。

 コンバットについては、なぜそのように不可思議な仕組みになっているのか、賢明なる読者諸氏がお気づきのとおりですね。マルチプレイと併用だからです。コンパニオンが立ちんぼなのも典型的すぎるほど典型的だし、マルチプレイに「ポーズ」なんてあるわけないからね! 
 あ、そうか。もはやRPGではなく、「アクション・シューター」だから、そっちが王道路線なのですね。
 コンバットの「ポーズ」ボタンを要求するのは、グズでノロマな、ロールプレイヤーだけですかね? 「タクティカル」ってのは、戦術的という意味ではなく、「頭の回転が遅い人向け」という意味ですかね? 

***

 ME3同様、パワー・コンボは、敵に大きなダメージを与えるためにも、コンバットの深みを増すためにも重要な部分だ。まず下ごしらえにバイオティックのシンギュラリティで敵の態勢を崩し、続いてバイオティック・ランスなどの爆発に巻き込むことも可能だ。そして、この理由により、コンパニオンたちの戦いぶりには少しばかり失望させられる。役立たずというわけではない。ノーマル難易度までであれば、コンパニオンたちが敵を一掃する間、そこにただじっとしているだけでいいし、逆に仲間が倒されることも稀である。問題は、指図できるのが、その場所に待機、または敵を攻撃のふたつしかないことだ。仲間を戦術的に配置するため戦闘をポーズすることもできない。それだけでは、自ら望むときにコンパニオンと協調したコンボを繰り出すための信頼しうるコントロールには不足している。よって、下ごしらえも爆発も、全部自分ひとりで賄わなければならなくなってしまう。Co-opゲームのスタンドイン(穴埋め)AIと一緒に戦っているのに似て、もっと役に立つためにそこにいるはずなのに、プレイヤーが必要なとき、必要なアビリティを用いるように叫んでも、まるで聞いていないような感じがする。

 コンパニオンの装備を替えることもできず、クラフティングの楽しみがその分奪われている。異なる能力の支援を必要とする場合は、代わりにキャラクターを交替させることになる。接近戦向きのクローガン、Dreck、バックスタビングのJaal、重火器のVetraか、バイオティック・エキスパートのCora。マイクロマネジメント(注:細かい数値いぢりや、アクションひとつひとつについての指図や操作をちまちまひとつづつやること)を大幅に削減したい気持ちはわかるとしても、せっかく苦労して入手した銃器やアーマーも、ライダーが使わなくなった後は溶かしてしまうしか道がないというのは、がっかりさせるにもほどがある。だから、クラフティングはすっかり無視してしまってもかまわない。ノーマル難易度なら、見つけたり買ったりした装備をそのまま使ってもどうにかなる。もっとも筆者の場合は、追加機能(オーギュメンテーション)選びが結構な楽しみになっていて、ガンを改造して追跡型プラズマ弾(プロジェクタイル)を装着したり、ショットガンの少ない弾倉が空になったときの用心のため、シールドにリチャージ能力を追加したりした。

 襲い来る敵の種類はなかなか広く、一般的な歩兵型から、大型重量メカ、巨大異星生物まで様々であり、三つの主要派閥(factions)が明確に異なる戦い方をするので、コンバットが陳腐になっていくことを防いでくれる。だが、ゲーム終盤になると特に、敵はダメージをスポンジのように吸収する方向に寄っていくし、あるミニボス戦の繰り返しがちょっと多すぎると感じる場面もある。

 エンディングは? ネタバレを避けて言えば、間違いなくサプライズはやってくる。最後の戦いはクライマックスにふさわしく、ME:Aの悪役には見せ場がある。ボス戦はキャンペーンの中で最も困難な闘いとは到底言えないとしても。とはいえ、プレイヤーの行動が結果に結びついたと感じられるのは、どのコンパニオンがカットシーンに登場して戦闘を支援してくれるか、どのタイプの敵ミニボスが登場するかくらいのものだ。訪れた惑星の植民度、生存可能度を高めたことによって何か違いが生じていたのだとしても、どこが違ったのかははっきりわからない。また最後に重大な選択があるわけでもないので、各プレイヤーのエンディングが著しく異なることもない。おそらくBioWareも、続編の物語構築を不必要なまでに難しくすることは得策ではないと学んだのかもしれない。すなわち、今回は「カウンシル・メンバーを見殺しにしますか?」などの選択肢が現れないということだ。

 エンディングのあとは、新しい銀河の探索を続けるか(筆者のキャンペーン終了時の探索達成度は50%であった)、またはCo-opマルチプレイで敵の波状攻撃を向かえ撃つか、選ぶことができる。マルチプレイはME3のものとよく似ているが、新しい移動方法によってスピードアップされている。3人のチームメイトと一緒なら、敵を倒すためのパワー・コンボもより効果的に用いることができ、AIコンパニオンと一緒のときよりも素早く目標に到達することができる。ME3と同様、マルチプレイは予想以上に面白く、リワードとして分配されるランダム・カードパックは、いずれ大抵の装備を与えてくれることになるので、興味を長続きさせてくれる。

 ピア・トゥ・ピアのネットワークでは、ラグっぽいマッチングに出くわすこともあるが、EAのアクセス・ローンチの間は大抵問題なかった。シングル・プレイヤーで学んだスキルを活用するのは楽しく、特定のキャラクター・クラスを選んで定められた特定の能力セットを用いることにより、キャンペーンでは経験したくてもできなかった、明確な役割を担う感覚を味わうことができた。少し不満なのは、ヘルスパックや自己蘇生用アイテムなど、ほとんど必須となってしまうアイテムを、非常に限られたゲーム内通貨を費やして購入しなければならないことである。ついリアル・マネーで手に入れたくなってしまうとはいえ、今のところ、欲しいものが手に入らないほどゲーム内金欠になったことはない。

【PC版についての追記】

 (上記記事を書いたあと、)さらに数時間PC版でプレイしてみたところ、GTX1080のパフォーマンスは、読者の予想どおり、コンソール版に対してかなり優っていることがわかった。1080pでは問題なく、2560*1440の解像度で60fpsを安定的に維持するためには、いくつかの機能を水準ダウンせざるをえなかったものの、MEのように精緻なテキスチャーやエフェクトを用いるゲームでは無理もない。SSDからのローディングは素早く、場面転換用ムーヴィー(ネクサスの中をトラム・ポッドが走るといったもの)のほうが、むしろプレイヤーを不必要に長く待たせていると感じるくらいだ。下位レヴェルのハードウェアでパフォーマンスが特に悪いという話も拡散していないから、必須スペックと推奨スペックの間のマシンなら問題なく動くことだろう。

 UIとコントロールはそこそこだが、マウスとキーボードの世界に適合させるためのちょっとした工夫は必要だ。一例として、インヴェントリーやクラフティグの画面を遷移する際には、画面の向こう側にあるたくさんのボタンを次々とクリックしなければならない。これもクロス・プラットフォームのゲームで非常によくお目にかかる種類の不便さであり、筆者は問題なく乗り越えることができた。また、すべてを容易にキーボードにマッピングし直すことも可能だ。

【評決】

 ME:Aは、広大な世界を舞台としたアクション・ロールプレイング・ゲームであり、名声を博した過去三部作の最良の部分もいくつか再現され、精力的なコンバットと素晴らしい音響効果は、サイファイらしい雰囲気をうまく醸し出している。しかしながら、一貫性のある心を打つ脚本も、大向こうをうならせるような配役も欠如したまま、この空虚な宇宙で長い間続く物語を引っ張っていくには、新種族の不足、コンパニオン・カスタマイゼーションの不在、そして顕著なパフォーマンス問題とバグなどから生じる失望が、大きな打撃を与える結果になってしまっている。

【ME:A】IGNレヴュー(PS4版)(2)

 「くよくよするなよ、今日はニッコリしとけ。明日にはもう笑っていられなくなるんだから」

 マーフィーの法則。「悪い事態は、どんどん悪くなる」

 GI、IGNと来てますが、皆さま、こんなところでくじけていてはいけません。まだGameSpotが残っている。 スコアの良いほうから順番に訳してますが、あたしもGameSpotのはあまりに怖くて、まだ全部読んでいない。

 ほぼ深夜しか空き時間が見つからず、かつふだん慣れないPCに頼らざるを得ない中でやってますので、読み直しても島国語がいまいちな部分残ってますが、帰国後にきれいにします。

 ***

 だが全体的に見れば、一貫性に乏しいライティング(脚本)が、このマス・エフェクト作品を浮き沈みの激しいローラーコースターにしてしまっている。時折は、見事なまでに倫理的に白黒つけられない問題に直面することもあり、どちらの道を選んでも合理的に思え、かつ悲惨な結末が予見されるにもかかわらず、どちらかを選ばなければならない。例えば、長期的な大義を選ぶか、生命の保全を選ぶか。ME:A全体にわたって最も優れた場面であり、オリジナル三部作にあったような頭を抱えてしまうほどの難問に、もう一歩のところまで迫っている。この手の選択を、もっと多く見せてもらいたかった。他にも出来栄えのよいクエストはいくつかあって、アンドロメダ最初の殺人事件の真相を暴くため、手首のオムニバンドに装着したバットマン似のスキャナーを駆使し、その捜査結果をどのように用いるか決めるのもその一例だ。キャンペーンを終えてみれば、しかし、最後まで正解だったかどうかわからないような選択が、期待していたとおりにいつまでも心に引っかかり続けるといった例は、ごくわずかしかなかった。

 これらの重要な意思決定の間を埋めるのは、 たくさんの埋め草、大げさな会話によって示されるお遣いクエストと殺戮クエストで、訪れた惑星の生存適合性を高めるためこなしていくうちに、だんだん面倒くさくなっていくことだろう。加えて、テンペストに乗って生存不適の惑星で鉱物資源探査のためにスキャンすることも、前三部作いずれかの作品の同種の作業と同じくらいかったるい。つまり、相当かったるい。だが今回の作業はすぐに終えることができる。鉱物収集はボタン操作二回で済むし、何も収集できるものがなければ即座にそう知らされるので、探査で時間を浪費することはない。キャンペーンはセマイ(セミ)・オープン構造となっているので、気分転換のため違ったことに取り組むかどうかは、概ねプレイヤー自身に任せられているのだ。

 惑星に着陸する段になると、探索可能な主要な惑星は、ほとんどが広大で、ヴィジュアル的にもはっきりと区別される。典型的タートウィン型の砂漠、ホス型の凍てつく荒野もあるし、低重力世界もあれば、移動用ヴィークルを乗り入れることができないくらい濃密なジャングルもある。そのほとんどが、少なくともほんの少しだけはメカニズムが他と異なるような、奇妙な特徴を有しており、それ以外に、生命維持を困難にする厳寒、灼熱、放射線などの要素があって、それらはみな全く同様に、安全地帯に戻らずにどれだけ活動できるかという時間制限をもたらす。もちろん、居住する生命が極めてまばらな世界であるので、それぞれの惑星マップの大半は何もない空間であり、最も頻繁に遭遇するのは、繰り返し現れる敵の拠点である。

 だが、それらの大地を踏破することは、MAKOのME:A版であるノーマッドのおかげで多少なりとも楽しい。このバギーのように跳ねやすい車両は、多少の障害物なら飛び越えられるジャンプ・ジェットを装備しており、極端な急勾配を踏破するためのギアシフトは、単にアクセルを踏み続けるだけよりも楽しく、そして決して仰向けに転倒しないように、(おそらくは)魔法の力も装備している。銃砲類は装備していないものの、敵の集団の間に乗り込んでいって跳ね飛ばし、それから降車して残党を一掃するのは、うまい使い道のひとつだ。

 それ以外にしょっちゅう目にするのは異星種族のモノリスで、植民者たちがそこで生存できるようにするためには起動(アクティヴェイト)しなければならず、それぞれについてパズル解読を要求される。それらパズル付きヴォールトは、まっさらな状態から謎解きを迫られるわけではない。Portal、Braidのような有名作品、または新しい「ゼルダ」とは異なり、ME:Aは、知的な洒落たツールやメカニズムをもちこむわけではなく、「数独」のように紙に数字を書き出せば解読できる類のものによって謎を代替させている。とはいえ、筆者にとって「数独」は意外に面白く、アクションの息抜きにはもってこいだと感じられた。

 これらヴォールトで見つかる簡単なジャンピング・パズルは、別になくてもかまわないが、ジャンプできるようになったことはうれしい。膝の高さの障害物があったらお手上げだったシェパードと異なり、ライダーは見事なまでに動き回ることができ、とてつもなく心地よいジャンプ・ジェットのおかげで、ほとんどすべてのものは跳び越えることができるのだ。ジェット・ダッシュと組み合わせれば、敵の側面に回り込む動きにも簡単に慣れることができるので、カヴァー中心だった過去作に比べて、コンバットはずっと精力的なペースを維持することができる。敵から距離を置くように用いることもでき、上空に舞い上がって眼下に照準を合わせれば、数秒滞空している間に、遮蔽物に隠れていると思い込んでいる敵を発見することも可能だ。(自分も姿を曝すことになるので、のべつ幕なしに使える手段ではない)

 だが、ME:Aの自動カヴァー・システムには、いまだに完全に満足しているわけではない。ジャンプしたかったり、その場から立ち去りたかったりするとき、逆にその場にくぎづけになったことは一度もないので良いのだが、一方で障害物の高さが十分でない場合、自分が本当に安全な場所でカヴァーしているのか決して確証を得ることはできないし、カヴァーをしたくないときに、間違いなく勝手にカヴァーされないと言い切る自信もない。なにより腹立たしいのは、ライダーは自動的にカヴァーの態勢に入るとして、画面の右を向くか左を向くかは、依然として手動で操作しなければならないことだ。障害物の左の端にいて、右を向きたい場面なんてあるわけがない。左の端から身を乗り出して撃ちたいのだ。

 コンバット・パワーは、これまで同様、スキルツリーにポイントを費やすことでアンロックされていくものの、これまでと過激なほど異なるクラス・システムは、シリーズ作品や他のRPG作品と比べてバカバカしいほどに柔軟だ。初めにクラス自体を選ぶことはもはやなく、その代わりにバイオティック、テック、コンバットの三つのスペシャリティー(特科)の広範かつ数多くのスキルの中から、ほとんどどれであっても選ぶことができるようになった。派手なものでいえば、大きな火炎放射器の効果を持つものがあり、またプレイヤーにつき従って敵にダメージを与えつつ、プレイヤーの代わりにダメージを吸収する小型ドローンは、筆者の選択肢からはまず外せないと思われる。装着可能なアクティヴ・パワーは同時に三つまでだが、パワーも、クラス・プロファイルでさえも、戦闘の真っ最中ですら交換可能だ(ただしクールダウン・ペナルティあり)。ミッションとミッションの間に宇宙船に戻れば、すべてのアビリティ・ポイントのリスぺク(再配分)も可能だ。そうなると、セーヴしておいたロードアウト(装備一式)を交換することは、意味のあるキャラクター・メイキングの決断というよりも、UIの制約を回避する手段でしかなく感じられ、パワーは任意に取り換え可能であるにも関わらず、銃器をインヴェントリー内のものと交換することが許されないのは不可解に思われる。

***

 (続く) 逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ・・・ 

2017年3月22日 (水)

【ME:A】IGNレヴュー(PS4版)

 続いては、IGNレヴュー(PS4版)。

 IGNのスコアは伝統的に下駄をはいています。だいたい5から10ポイントくらいは、インフレとみていい。よくある評価の「バイアス」ってやつです。「ばらつき」とちがい、「バイアス」は評価がシステマティックに偏っていることを指します。IGNの場合はスコアが、例えばGameSpotに比べてインフレ側に偏っている。 
 70点とか、80点とか、人の主観によってそれがどのくらい「良い」のか、感じ方はさまざまですが、こういうサイトは「自社の過去の評価履歴」を参照しつつ結論を出すので、偏りが積み重なっていくんですね。異なるサイトの評価の「平均」にいかほどの意味があるか、また別の意味で疑問な部分でもあります。
 今回のME:Aのスコアから、それを割り引くと大変なことになるので、やめておきます。

 それから、このレヴューに限って言えば、GIのように 事前に独占的に情報をもらっていた互恵関係にあったわけではないので、「それを言っちゃあ、おしめえよ」的なことも言っちゃってるところが、好感度高いです。下では冒頭部分、「ME3エンディング部分をちゃいにした」などがそうです。

 元記事は、下。

http://www.ign.com/articles/2017/03/20/mass-effect-andromeda-review

***

 新しい生命体、新しい文明を発見し、撃ち合いをしたり、エッチしたりする。ME:Aは、うまいこと(creatively)ME3エンディングの制約から逃れ、まったく新しい銀河に探索者の一団を送り込んだ。そこで発見したものは、筆者も没頭することになった、広大な世界の、ときにはエキサイティングなアクション・ロールプレイング・ゲームであった。ところが、この宇宙を創造した優れた三部作に比べてしまうと、ME:Aは期待外れの続編であり、PS4およびXOne版では顕著な技術的問題さえ抱えてしまっている。

 物語は、冒頭から謎と危険に満ち溢れてる。人類の植民船は、巨大かつ文明破壊的な宇宙の異変に巻き込まれ、当初の計画は台無しになり、悪のボスに率いられた新たな敵対的異星種族の攻撃をいきなり浴びることになる。冷凍睡眠中の何万人もの植民者のために居住可能で安全な新しい棲み処を探し出し、クローガン、サラリアン、テューリアンおよびアサリの植民船の代表からなる、まともに機能する独立政府を生み出すことは、これまでMEシリーズが構築してきた世界とは異質の興味深い取り組みである。同時にME:Aは、オリジナル三部作の主要プロットをなぞらざるを得ないくびきから、逃れることはできなかった。先端的な技術を残しながら太古に滅びた文明が、またしても登場することになる。

 何が不可思議かといって、BioWareは我々を2.5百万光年も遠い世界に連れ去りながら、50時間以上かかるキャンペーンとサイド・ミッションの間、たったふたつの新種族(それと、多少のロボット)しか紹介してくれず、そのうちたった一体しかクルーに参加させないことだ。オリジナル・シリーズには異なる背景を有した種族が、エルコア、ドレル、ヴォーチャ、バタリアンなど多数登場し、多様性を持ち込むとともに、数多くの種族が住む銀河に我々も同居している、という感覚をもたらしてくれた。それに比べてME:Aの宇宙は、知的生命にとって事実上不毛の世界のように見える。

 カスタマイズ可能な新主人公であるライダーは、パスファインダーの指導的役割と、テンペストと呼ばれる宇宙船の艦長の役割をほどなく担うことになる。(シェパード同様、ライダーは男女から選べる。筆者の最初のプレイスルーが男性だったので、ここでは「彼」と呼ぶことにする)(注)この後の、筆者のアフロヘアーのどうでもいいライダーの話はつまらないので割愛する。
 ライダーは、概して人好きのする、いかにもいそうなキャラクターであり、物語を進める役割には申し分ないし、また異性の双子の片割れが物語に絡んでくるというのは面白いアイデアであり、上々の効果を上げている。(注)この後の、双子が明らかに異なる人種に見えるようメイキングする等の悪ふざけの話は超くだらないので割愛する。

 初期のセリフの選択肢のほとんどは、プレイヤー個々にとってのライダーの人となりを定めるためのものだ。悲惨な状況において彼をどのように対処させたいのか、生意気で自信満々か、自信は欠いているが同情心に厚いか(その中間はあまりない)を決める。だが、結局はどっちであっても同じことで、理想主義のライダーか、現実主義のライダーか、この地域に広がる紛争を解決していく間に選んでいかなければならない。それらの選択がオリジナル三部作のパラゴン/レネゲイド選択のように明確に分かれていることはまれであり、むしろライダーを、仕事一途の合理的タイプにしたいのか、自虐的ユーモアセンスがあってくさい冗談を発するドジな人物にしたいのか、選ぶことになる。

 一方、クルーは極めてありきたり(generic)の一団で、マス・エフェクトの既存種族と新異星種族の中から選ばれ、かなり深くて面白い生い立ちを有しているものの、常にデジャヴの感覚を味わうことになった。とどのつまり、ぶっきらぼうな新しいクローガン戦士や、アイピースを装着したテューリアンに、一体何度出会えばいいのだろうか。ご本人たちは何も悪くないとしても、ギャレス、タリ、モルディンなどのような心に残る配役ではない。ピービーがおそらく最良のキャストで、ひねくれたユーモアの持ち主であり、アサリの同族であるレクシとしょちゅうやり合う。だが他は、お互いあまりに仲良しすぎて、オリジナル作品のレックスがクルー間の関係をぶち壊しそうになった、あの面白さと比べるべくもない。ほとんどの場合、皆がお手々つないでいるのはいささか辟易するし、メンバーがどれだけいちゃつきたがっていても、裸になったとしても同じことだ。

 そしてこのスター(太陽)たちは、(アジモフのサイファイ小説の題名ではないが)ほんとに誰でも裸になりたがる(注:「裸の太陽」、"The Naked Sun")。リーアムは、シャツにアレルギー(アレジー)持ちなのかもしれない、というようなことを言っているのではない。どちらの性のライダーにもロマンスのオプションはたくさんあり、同性間、異種族間のものも含まれている。物語の横道にそれて彼らと話をし、お願いされたお遣いをこなし(大抵は、ロボットを破壊したり、アウトローを撃ち殺したりすることだ)、相方の心に火を灯したご褒美として、これまでのシリーズではお目にかかったことのない、完璧にアダルト向けのエッチ・シーンを見ることになるのだ。筆者の妻の反応は、至極冷淡に「これってポルノじゃん。しかもきもいし」というものだった。妻はどちらの意味でも間違えてはいない。特に男性ライダーの場合、首から下は痛々しいほど見事に脱毛されている。だがそれでもまだ「趣味の良い」(tasteful)ポルノと呼んでおきたい。それもそこに至るまでに相手と交わした会話の中身のおかげである。

 ヴォイス・アクティングは概ねしっかりしていて、並み以下の水準にとどまるヒューマンのフェイシャル(顔面)アニメーションも、すぐに気にならなくなるほどだ。改良することもできたのではないか? もちろん。TW3などのゲームはこの分野で相当優っており、どのキャラクターの髪形もプラスチックの塊に見えることなどない。だが、多少の不気味な表現があっても、過去30年間のほとんどすべてのRPGがやらかしてきた不気味な表現に比べれば、ME:Aを台無しにしているとまでは言えないと思う。むしろ、会話の中途でテクスチャーが突然ポップインし、当初ぼやけた塊だったキャラクターの顔が、文章の途中で突然毛穴まではっきり見えるようになるほうが、よほど気分をそがれてしまう。

 それに関連していえば、ME:Aは技術的にちょっと粗削り、などというレヴェルを超えている。 PS4版およびXOne版(筆者は、まだ十分な時間PC版を試していない)については、フレイムレートの深刻な低下やヒッチ(描写がつっかえること)に陥りやすく、それも画面に何が描かれているかにはおかまいなしだ。スライドショウの水準まで低下したのは、ネクサス(シタデルのような、政府中枢の座)をただ単に歩いているとき、平坦な荒野をドライヴしているとき、濃密なジャングルで戦っているときである。アニメーション・グリッチは、シリーズの過去作よりも頻繁に発生する。さらに、これだけの規模のゲームであれば多少のバグは想定されるべきだとは言いながら、筆者とIGNの同僚たちは、もう十分なくらい壊れたクエストに遭遇している。(我々の報告を受けたBioWareは精力的にパッチを当てており、いくつかの問題は解決済みであると主張している)

***

 (気をしっかり持ちながら、続く)

2017年3月20日 (月)

【ME:A】Game Informer レヴュー(PS4版)(3)

 これで、最後。
 繰り返しますが、GIは独占的に情報提供を受けていたので、レヴューでも、ところどころに、かなり甘めの表現が見受けられます。
 「・・・という問題はあるが、まあ気にするな」、「いまいちと言ってるように聞こえたかもしれないが、言うほどいまいちでもない」、「・・・には困ったが、他にもっと困ったことがあるのでたいしたことではない」など。
 まあ、それも「大人の対応」ということでしょうし、「大人」が読めば行間の意味もわかるのではないでしょうか。
 
 この後、GameSpot、IGNと続けてレヴューを読んでいきたいのですが、あたしはもう出発準備をしなければならない。どうせ自分は週末までME:Aを触れないので、それまでにしこしこ島国語訳を書いていこうかなあ、くらいに思っています。
 
 まあ、あたしも「ME:Aには愛想を尽かした」とは、たしかに書いたかもしれませんが、「言うほど愛想を尽かしたわけでもない」(笑)。
 つうか、こちとら、9000円何がしか、すでにぼったくられてますんで、このレヴュアーですと60時間ですか? 一周分はきっちり回収させていただこう。ていうか、オープン・ワールドで60時間は短くね?
 
 ***
 
 バトル・メカニズムは確かであるものの、そこにつながるシステムがうまくかみ合っていないため、結局のところ、プレイヤーの選択肢が限られているように感じられる。ライダーは特定クラスに縛られているわけではないので、プレイヤーは、コンバット、テック、バイオテックの広い範囲の中からスキルを選ぶことができる。当初は、その可能性の幅に目まいがするほどで、オーヴァーロードでシールドを減衰(ドレイン)させ、それからプル・スローのコンボを叩きこんで、バイオティック・エクスプロージョンを巻き起こす、などもそのひとつだ。プロファイルというコンセプトも気に入っているが、それは費やしたスキルによって異なる固定ボーナスを得るというものだ。しかしながら、数多くの選択肢があるにも関わらず、そのうちどのパワーやプロファイルを、他のものに優先して極めるべきか、その理由がはっきりわからないだけではなく、同時にパワーを三つまでしか装着できないので実験する機会も限られている。コンバットの真っ最中に他のパワー/プロファイルに切り替えることも可能と言えば可能ではあるが、すべてのパワーが切り替え時にクールダウンを余儀なくされるので、実用に耐えうる解とはならない。切り替えられるのがパワーだけであり、武器は切り替えできないからことさらだ。コンバットで最良の道を選ぶなら、狭い範囲の能力とパッシヴ・ボーナスに特化して、それだけを集中的に極めることだ。
 
 Mass Effect 3のマルチプレイのファンは、ME:Aのオンラインも楽しむことができるだろう。シングル・プレイヤーと同じコンバット基盤を用いており、ME3と同様、パワーセットがあらかじめ決められていることで、より直接的な成長が可能だ。このことによってアクションは、どんどん手ごわくなっていく敵の波を押し戻す、一瞬、一瞬のサヴァイヴァルにまで研ぎ澄まされている。手慣れたスコードメイトのチームと連携を取りつつプレイするのが理想的だ。一般的にはうまく動いているし(プレ・リリース・サーヴァーでのプレイでは、ラグ問題が発生していた)、ライダーのメイン・キャンペーンとの控え目な連動も好きだ。だが、今日のどのマルチプレイヤー・モードでも同じように、長期的成功はBioWareの能力にかかっている。安定性を最適に維持し、プレイヤーを引き付けるような新コンテンツの投入を継続できるかどうか。すでに十分楽しんだとはいえ、これから先もさらに深く没頭できるよう期待している。
 
 ME:Aのゲームプレイとストーリーの浮き沈みの影に潜むのは、不可解に絡み合った技術上の問題、ぎこちないメニュー、説明の足りないシステムだ。クエストを見つけて追跡するのは不必要なほど複雑であり、クラフティングは込み入った複数階層からなっていて、没入するほどの価値はほとんどなく、フィールドで武器やアーマーを交換できないインヴェントリー・システムの制約は、存在自体がまったく理解に苦しむ。つっかえつっかえのフレイムレートやオーディオ・バグは、気になるほど頻繁に発生する。また、何度かの不気味なアニメーション、ヴィジュアル・グリッチ、最悪リロードを余儀なくされる壊れたクエストにも遭遇するとはいえ、よりしぶとく残る問題に比べれば、大したことはない。しかしながら、これらすべてが、全体的に仕上げが磨きこまれていないことを示しており、様々なパーツが正しく組み合わされていないという印象を裏付けることになっている。

 それ自体の旅として見てみれば(シェパードの伝説と比べないとして)、ME:Aは楽しく、重要な部分はうまくいっている。物語は度肝を抜くほどではないが、プレイヤーを引き付け、前に進みたくさせるだろう。コンバットは、シングル・プレイヤーでもマルチプレイヤーでも楽しく遊べる。クルーは筆者の大のお気に入りとは言えないが、好きではあるし、ときには見せ場もある。他にたしかに問題があるものの、ME:Aのプレイ体験を形作る最大の影響力はこれらの事柄が持ち込むのだし、それらのおかげでプレイするに値する出来となっている。同時に、筆者はしばしば、不便さのもやを目の前にして、そこに置き去りにされつつ、もうちょっとなんとかならなかったのかなあ、と夢見ることもあったのだが。

***

 最後の最後は、あたしの超意訳が入っちゃったので(笑)、原文入れときますね。

"Even with its other problems, these are the largest forces shaping your experience with Mass Effect: Andromeda, and they make it worth playing. At the same time, I was often left looking through a haze of inconveniences and dreaming about the game it could have been."

【ME:A】Game Informer レヴュー(PS4版)(2)

 前回も、以下も、すでに予想していたとおりのことが書いてあるので、わかっていたとはいえ、さすがに辛いものがある。
 ときたま吉田先生のマンガを読んで「にこにこ」を注入しなければいけません。
 
 あとこの筆者はちょっとおバカなのか、自慢屋なのか、下をまぢめに読んでいくと、(おそらく自分でも気づいていないのでしょうけど)いくつか軽いネタバレやらかしています。
 あたしもそうでしたが、ヴェテラン・プレイヤーは「興ざめ」するかもしれませんね。ぼかそうかとも思いましたが、地獄の旅には道連れが必要(笑)。
 
***
 
 サレンや、イルーシヴ・マンなどの悪漢を見せてくれたシリーズにとって、ME:Aの悪のボスは驚くほど型どおりすぎる。画面にさえほとんど登場しないし、その目指す目的は、悪の異星人のボスとしてまったく予想どおりだ。対決が頂点に達するのは、込み入った最終ミッションで、皆の命が危殆に瀕している。筆者は、自分の行動がどのようにして破滅を回避できたか、詳細に説明することはできない。緊張と、究極の勝利がもたらす歓喜を損なってしまうから。
 
 メイン・ストーリーだけが周囲の環境を学ぶ術ではなく、ME:Aの他の活動も物語上かなりの比重を担っている。オープン・ワールド構造のおかげで、興味を抱いたストーリーを追いかけるため、未知の領域への旅に乗り出すことも許される。それらの積み重ねから、筆者はME:Aで最もお気に入りとなったストーリーを見つけたのであり、興味をそそるミッションの中から、次にどれを選ぶか悩むほどだった。行方不明となったイニシャチヴのアークを捜索するべきか、「映画の夕べ」の催しを成功させるためクルーを手助けすべきか、ライダー一家に関連する謎の手がかりを探すべきか? 一見すると、他と関連しないように思われる埋め草ミッション、例えばマップ上を走り回って地震波調査用ハマーを設置するようなことでさえ、大きなサプライズに結びつくので、石ころ一つたりとも残さずひっくり返してみたくなることだろう。目的地の間をノーマッドで走るだけでさえ楽しく、世界の大きさと、それが手つかずのままであることを強く感じさせてくれる。長いドライヴの後で尾根の頂上にたどり着き、地平線まで連なる異星の大地と、眼下の古代文明の廃墟を目にすることこそ、ME:Aの探索の神髄を体感するときだ。
 
 コンテンツの深みは素晴らしい。メイン・ストーリーは手早く駆け抜けてしまうことができるとしても、筆者は、興味をそそるあらゆることを試すため60時間を費やし、そのかなりの部分が仲間のローヤリティ(loyalty)ミッションだった。それらは一回限りの往復路ではなく、一つながりのクエスト群だ。通常は会話からはじまり、二つばかりの場所に点在する目的地に赴くことを促され、最後にはそのキャラクターにとって個人的に重要なミッションに結びつく。クルーに肉付けするこのやり方が筆者は大好きで、相手との関係を本当に築いているように感じられる。ローヤリティ・ミッションには、いくつか優れたやり取りやシナリオもあり、ここでネタバレは避けるとしても、チームメイトたちの生い立ちについてより深く知ることは楽しい。個人的にお気に入りのコンパニオンはいるものの(JaalとDrack)、ME:Aのキャストは、前シリーズのそれらと比べて記憶に残りやすいとは言えない。だが、BioWare自身がそれらタイトルによってハードルを上げてきたことを考えれば、言うほどダメ出ししているわけでもない。
 
 これまでのシリーズ作品に比べて最も優れている部分は、弾丸やバイオティックが飛び交い始めてからの話だ。コンバット体験は、シリーズで最も優れている。コントロールは的確で、アクションは流れるよう、そして移動にフォーカスしたことによって、よりダイナミックな闘いが繰り広げられる。ずっと同じ箱の後ろに隠れて、ずっと遠くの敵を撃ち続けるのではない。異なるタイプの敵がひっきりなしにプレイヤーを追い出しにかかるので、ダッシュやジャンプを駆使して、また別の地点に移動しなければならない。オート・カヴァーはいらいらするほど当てにならないものの、プレイヤーがずっと同じ場所にとどまることはなく、パワーと武器の組み合わせを用いて、自分が一息つくための場所を確保しようとする間に、たくさんのスリル溢れる瞬間が訪れる。
 
(続く、できれば今日のうちに・・・)

【ME:A】Game Informer レヴュー(PS4版)

 とか、前の記事を書き終わったころには、ME:Aのメタクリ・レヴューは、PS4プラットフォームで23まで増えていた。「平均」は75点。
 しかも、IGN、 GameSpot、 Game Informerの三大サイトも(PS4版レヴューは)一斉にアップされている。
 よって、もうネチネチと表題に書くことはやめにします。
 
 詳細は各自ご覧いただくとして(あたしは、とてもぢゃないが、ここにスコアをよう引用できまへん!)、本来はPCプラットフォームのレヴューを参照すべきなのだろうが、いつ出るのやもわからず。
 まずGame Informer(GI)のPS4版のものから、島国語訳をしてみたい。
 わりと手ごろな長さでもあるので、できるだけ省略せずに行けると思う。
 
 ご承知のとおり、ME:Aの事前情報をほぼ独占的に供給されてきたGIの点数は、「お手盛り」込みである。そこは割り引いて考えなければならないのだが、まじめに割り引くと悲惨なことになるのでやめておく。
 
 なお、出張準備しながらなので、二、三回に分割して、でもできるだけ早く完結するようアップします。
 
 
***
 
 「マス・エフェクト」の世界において、アンドロメダ・イニシャチヴは大胆かつ野心的な取り組みだ。未踏の領域に未来を託し、志願者たちは過去を置き去りにして、はるか遠くの銀河に新天地を求める。しかしながら、たとえ計画と準備を万事怠りなく整えたとしても、次々襲い来る複雑な事態が、銀河の果てで遂行されるべきイニシャチヴの任務を困難なものにする。その点では、ME:Aというタイトルそのものも、それが描き出すストーリーと似ている。フランチャイズにとって新しいスタートであり、また新たな探索が始まることによって活気づけられてはいるとしても、様々な問題によって、潜在的な力を発揮できずにいる。
 
 シェパード艦長が舞台から姿を消した今、プレイヤーが操るのはライダー(Ryder)、若い探索者であり、パスファインダーの役割を引き継ぐ。アンドロメダ星雲のへリアス星団(注)に人類の棲み処を探し出すのが、その任務だ。(注:"Heleus"の英語読みは「へレウス」と思うが未確認。グリークでは「ヘレイオス」に近い。"Helios"(ヘリオス、太陽神)とは別もの)
(注追加:イニシャチヴのトレーニングでは綴りは"Helius"で、読みは「ヘリアス」。GIの筆者の綴りが揺らいでいるらしい)
 
 ライダーは自信と不安をほどよく兼ね備えており、プレイヤーは、不可思議な状況に置かれても、即興でうまいこと乗り越えていけると感じるだろう。新しい種族との間に平和的関係を築くにしても、異星人の技術を発掘するにしても、プレイヤーとライダーが一緒に取り組むことになる。途中、ときには難しい判断を求められることもあるものの、このゲームの焦点は、選択とその帰結にはないので、どの選択肢を選んでも正しいと感じることができるだろう。
 
 プレイヤー/ライダーがこなすべき任務は多い。潜在的な居住地候補は、どれもみな致命的な問題を抱えており、銀河の他の種族たちを運んできたアークは行方不明になり、征服主義のケット(kett)種族は、現住種族との闘いを巻き起こす。これらの迫りくる謎や脅威は、ME:Aのストーリーの優れた基盤となるものであり、舞台を用意し、期待を膨らませてくれるプレイの当初10時間は、筆者自身、自分のパスファインダーの任務が本格的に始まることが待ちきれなかったくらいだ。
 
 40時間ほどのプレイで、「アンドロメダに居住可能な惑星はあるのか?」、「ケットの望みは何か?」といった大きな疑問には、予想どおりの答えが与えられる。ストーリーが紡がれていく様はまだしも楽しめるとしても、へリアス星団は、期待していたほどの謎にも、目新しさにも満ちてなどいないことがわかってくる。例えば、新しい異星人のデザインは筆者にとっても好みではある一方、銀河系にいたっておかしくない気がする。マスエフェクトのファンたちは、クローガンやハナーのような風変りな生き物には慣れているし、新種族はその枠内からはみ出していないので、当初約束されていたような、真に異形と呼べるような生命との遭遇は果たせない。
 
(急いで、続く)

73点。(PC Gamer: 80点, PC)

【前回までのあらすじ】
 書店で見つけた永井均氏の「マンガは哲学する」が、予想を上回って面白かったのだが、とりわけ吉田戦車先生の作品に関する考察は、読んでいてにこにこせずにはいられないものであった。
 明日からの出張の機中で、にこにこしながら読もうと思い、先生の「伝染るんです。」全五巻Kindle版を手に入れた。
 はっと、気がついたら、今日のうちに思わず全部読んでしまいそうになっていて、あぶないあぶない。
 楽しみは取っておけない性格かよ!
 
 内田樹氏が「珍しく」産経新聞に、例の騎士団長がどうのの書評を載せていて、「読み終わるともったいないから、ちまちま読んだ」みたいに言っていた。最初から、読む前から褒める気満々の書評ってどうなんだろう。これこそが「信者」ってやつだろうね。
 もっとも、「書評」の内容は掲載紙を考慮してか、「どの小説も全部一緒」という(同紙読者にしてみれば、まだどこにも登場していない、なんのことやらわからない)「酷評」に対する予防線みたいになっていて、なにやってんだこれ?感が半端ない。
 だったらその小説を読む前に、「書評」書けばいいぢゃん。下手打ったって、どうせ今更喪うものなど何もないだろうに。
 
 ま、こちとらはレミングスではないが、明日をも知れぬ人生。あたしん家には、もちろん小説も含め、もはやどれだけあるのか、自分でもわけわからないくらい書籍が積まれている。ファルコム祭りは終息しそうだが、これから島国ゲー祭りもやってきそうな勢いなので、そんなどうでもよい小説を読んでいる暇など微塵も、ピコセカンドもない。と、書いてる間に何兆ピコセカンド経ったかわからない、とか言うな。
 
 なお表題は、本記事を書いている時点での、ME:Aのメタクリ「平均」スコア。プラットフォームはPCで、レヴュー数6。
 大手で言うと、PC Gamerが80点。「大手にしては」かなり辛い。
 「ドンマイ、ドンマイ」とか言うところでしょうか。
 
 三大サイトのレヴューが揃うまで、嫌がらせのようにこの表題の記事を書き続けていきたい。またそれらサイトのレヴューについては、時間の許す限り、できるだけ島国訳をしてみたい。
 悪いが、血液型A型は執念深いのだ。  

«さあ今日は、久しぶりににこにこするぞ。

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